シンメトリーのおばはんに出会った。

いわゆる百貨店と言うところに、行ってきまして、ナウでヤングなフロアを所在無くうろついていたのです。華やかさがドヤ街の居酒屋ルック(酒くさいジーパン&だるだるTシャツ)の私に、まるで妖気のように襲って来る。しかし、そこに、間接照明の光ではない閃光が。まさしく、このフロアに似合わないおばはんが、キャミソールを、ギャルが夏に素肌で着るようなキャミのソールを選んでいました。私は注意深くあたりを見回し、娘と来ていないことを速やかに確認。キラキラと目元が人工パウダーで輝く販売員も、どう声をかけていいのやら、困惑している様子。そのおばはんのどう見ても商店街で軒先に吊るされていたであろうスカートから伸びる素足には、両足のふくらはぎの全く同じ場所に一つずつ、ばんそうこが貼られていました。鏡の国から逃げ出す際に、つまづいたのだと思われます。