アロハ男爵のおっさんを見た。

深夜に、丼モノのお店へ行きました。客は自分一人しかいませんでした。注文すると、バイトであろう店員は、だるそうに返事。することが無いので、じっと手を見ていると、二人の来客が。壮年の夫婦でした。アロハシャツをペアルックで着ていました。日中は、半袖でも汗をかくほどの陽気とはいえ、日が沈むとそこそこ寒くはなります。それに、ここは南国ではありません。ふと、おっさんの顔を見ると、男爵のような髭が。あの、ダリのような。しかも、きっちり上を向いています。重力に逆らっています。顔はヨーロッパ貴族で、服は南の島。そのうち、こちらにあてつけるように、その壮年夫婦がいちゃつき始めました。前戯といっても過言では無いほどに。そうして、街の夜は深く沈んで、店を出る頃には、朝焼けが空を彩っていました。